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Google Cloudは前年の約2倍、Azureは48%増、AWSは39%増
10月28日と29日、巨大テック3社が7〜9月期の決算を出した。Google Cloudの売上は307億ドルで、前年の約2倍(+103%)。MicrosoftのAzureは332億ドルで+48%、AmazonのAWSは460億ドルで+39%だった。
1年前に約72億ドルあったGoogle CloudとAzureの差は、約25億ドルまで縮まった。ただしGoogle Cloudには業務ソフトのWorkspaceも入っていて、同じ物差しではない。
それでも株は売られた。目立ったのはお金の出方だ。Alphabetは3か月で設備投資に514億ドルを使い、本業で入ったお金(423億ドル)を上回った。フリーキャッシュフローは91億ドルのマイナス。Amazonの設備投資は773億ドルで、前年同期の2倍を超えた。

米国は11月1日に冬時間に戻る。時刻は各社のIRの発表から。日付は会社が変えることがある
Alphabetは1〜9月に借入で852億ドル、Microsoftは社債250億ドル、Amazonは7〜9月に長期の借入481億ドル
| 会社 | 売上 | 本業で入ったお金 | 設備投資 | フリーキャッシュフロー | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| Alphabet | 1,275.8億ドル(+25%) | 422.9億ドル | 513.6億ドル | −90.7億ドル | 4〜6月期も−58.6億ドル |
| Microsoft | 923億ドル(+19%) | 580.0億ドル | 393.7億ドル | 186.3億ドル | 設備投資は前年同期(193.9億ドル)の約2倍。FCFは筆者計算 |
| Amazon | 2,019億ドル(+12%) | — | 772.6億ドル | 直近12か月 −424億ドル | 前年同期の設備投資は351億ドル |
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出典:各社の決算発表(SEC 8-K)。Amazonの7〜9月期だけの「本業で入ったお金」は表に入れていない
2026年1〜9月に借入で852億ドルを集め、普通株で429億ドル、強制転換の優先株で191億ドルを出した。自社株の買い戻しはゼロ(前年同期は398億ドル)。
固定金利8本と変動金利2本、合わせて250億ドルの社債を決めた(筆者が合計)。固定の利率は4.850〜6.350%、いちばん長いものは2066年まで。
7〜9月の長期の借入は481億ドル、1〜9月では1,151億ドル。直近12か月のフリーキャッシュフローは424億ドルのマイナスだった。
出典:Alphabet・Amazonの決算発表のキャッシュフロー計算書、Microsoftの社債の書類(SEC FWP、10/29)
政策金利の目標は3.75〜4%のまま。投票は10対2で、反対した2人(クックとハマック)は0.25%の利上げを主張した。声明は「インフレは高いまま」と書いた。
出典:FRBの声明(10/28)
| 10/23 | 10/28 | 10/29 | 10/30 |
|---|---|---|---|
| 5.00 | 5.05 | 4.98 | 4.94 |
FRBの会合の日に5.05%をつけたあと、2日で0.11ポイント下がった。
出典:米財務省の日次の利回り
本紙は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
題材:今週の上場申請書・増資・提携の発表
AnthropicがS-1(上場申請書)を公開。Metaの増資にはNvidiaとAMDがお金を出した。OracleはGoogleのAIチップを貸し出す
色の付いた箱がこのページの中心。今週は、チップを売る側(Nvidia・AMD)が、買う側(Meta)の増資にお金を出す動きもあった
AI「Claude」を作るAnthropicが10月26日、米SECに上場申請書(S-1)を出した。ナスダックへの上場を申請していて、予定のティッカーは「ANT」。上場の価格と株数はまだ空欄だ。
1〜6月の純損失807億ドルのうち724億ドルは、転換社債やデリバティブ、SAFEを時価で計り直した損失。会社の評価額が上がるほど、この費用が増える仕組みだとS-1は説明している。
会社独自の調整後営業利益率は、2025年1〜3月の−221%から、2026年4〜6月は+19%になった。ただし需要が長期契約の計算資源を上回る分は、割高な短期の計算資源でまかなっていて、それが当面は利益率を押し下げるとも書いている。
計算資源は、途中で解約できない長期契約が中心だ。独立した信託(LTBT)が取締役の過半数を選ぶ仕組みもある。

Metaは普通株の売り出しを250億ドルに増やし、価格は1株625ドルに決まった。別に強制転換の優先株で125億ドル(配当は年6.5%)。この売り出しに、Nvidiaが30億ドル、AMDが10億ドルを出す。どちらもMetaとの提携の拡大と同時の発表だ。
普通株は先渡しの売却で、Metaにすぐ現金が入るわけではない。受け渡しは2027年11月19日までの、Metaが決める日。株を市場で少しずつ売る約600億ドルの計画もあるが、時期と条件はまだ決まっていない。
出典:Meta・Nvidia・AMDの発表
GoogleのAI用チップ「TPU」を、2027年からOracleのクラウド(OCI)で提供する。Google以外の大手クラウドがTPUを出すのは初めて。
翌28日の投資家説明会では、設備投資の山は2027〜2028年度で、2029年度に減ると示した。フリーキャッシュフローは2028年度の後半(2027年12月〜2028年5月)にプラスに戻し、2029年度は300億ドル以上をめざす。2030年度の売上は2,250億ドル以上の見込み。市場からの追加の調達は、2030年度までに200億ドル(株と借入で半分ずつ)に抑えるという。
出典:Oracle・Googleの発表、Oracleの投資家説明会(10/28)
サーバー(GPU)を何年かけて費用にするか(減価償却の年数)は、会社が自分で決める。年数が長いほど毎年の費用は小さくなり、利益は大きく見える。Amazonは2025年から一部のサーバーを6年から5年に縮めた。理由は「AIの技術の進み方が速いから」。
| 会社 | 年数 | メモ |
|---|---|---|
| Alphabet | 6年 | サーバーとネットワーク機器、原則 |
| Oracle | 6年 | サーバーとネットワーク機器 |
| CoreWeave | 6年 | 2023年に5年から延ばした |
| Meta | 5.5年 | 2025年に延ばし、費用が29.2億ドル減った |
| Amazon | 5年 | 一部を6年から縮め、費用が14億ドル増えた |
| Microsoft | 2〜6年 | サーバーとネットワーク機器 |
出典:各社の年次報告書(10-K)と四半期報告書(10-Q)
本紙は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
SK hynixの営業利益率は80%、Sandiskの粗利率は85%
韓国のメモリの大手。7〜9月期の売上は104.6兆ウォン、営業利益は83.3兆ウォンで、どちらも過去最高。営業利益率は80%。AI向けの高性能メモリ「HBM」とデータセンター向けが伸びた。最新のHBM4は、10〜12月期に前の世代を上回って主力になる見込み。
2027〜2028年の生産能力の50%超は、主要な顧客14社との長期契約で押さえた。2026年度の株主還元は約100兆ウォンの予定。
出典:SK hynixの決算発表
7〜9月期(10月2日締め)の売上は110.3億ドルで、前年同期の23.1億ドルから+378%。粗利率は85.0%(前年同期29.8%)。データセンター向けの売上は48.0億ドルで、前の四半期から61%増えた。
次の四半期の売上の見通しは122〜126億ドル。8対1の株式分割は11月19日に効力が出て、20日から分割後の値で取引される予定。
出典:Sandiskの決算発表・10-Q(SEC)

7〜9月期の売上は165億ドルで+21%。データセンター・AI部門(DCAI)は73億ドルで+78%。
パソコン向けの部門(CCPG)は81億ドルで−5%。10〜12月期の売上の見通しは150〜160億ドル、調整後の粗利率は38.0%の見通しで、7〜9月期の44.1%から下がる。
230億ドルの株式の公募増資を終えたことも発表した。
出典:Intelの決算発表(SEC 8-K)
AIのデータセンターでは、GPUどうしをつなぐ線が銅から光に変わってきた。今の主役はスイッチの前に差し込む光モジュールで、800Gの次は1.6T(1秒に1.6テラビット)。その次の形として、光の部品をスイッチの半導体と同じ包みに載せる「CPO」を各社が出し始めた。NvidiaはCPOのスイッチが2026年5月に生産に入ったと発表した。
コヒレント(COHR)の4〜6月期の売上は20.5億ドルで+34%、データセンター・通信部門(Datacenter & Communications)は+59%。
レーザーの材料のインジウムリン(InP)の基板を作るAXT(AXTI)の7〜9月期の売上は7,340万ドルで+162%、過去最高だった。来週はFN・COHR・LITEが決算を出す(1面の予定)。
出典:Nvidia・Broadcom・Coherentの発表、AXTの決算発表(SEC 8-K)
本紙は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
ServiceNowは売上+20.5%でも営業利益が減った。Redditは売上+53%でも米国の利用者が2%減った
企業の業務の流れを管理するクラウドソフトの会社。7〜9月期の総売上は41.06億ドルで+20.5%、会社の見通しの上限を超えた。AIの年間契約額の2026年の目標は17億ドルに引き上げた(年初から+70%)。
一方でサブスクの原価は10.54億ドルで、前年の6.66億ドルから+58%。GAAPの営業利益は3.85億ドルで、前年の5.72億ドルから減った。支払利息は8,100万ドル(前年600万ドル)。AIを売るソフト会社は、AIを動かす計算の費用も自分で払う。
出典:ServiceNowの決算発表・10-Q(SEC)
7〜9月期の売上は8.95億ドルで+53%、純利益は2.83億ドル(売上の32%)。1日の利用者(DAUq)は全体で1.303億人と+12%だったが、米国は5,070万人で前年比−2%、前の四半期から−5%。
会社は10-Qで、全体の利用者が前の四半期から横ばいだった主な理由を「第三者の検索エンジンの変更」と書いた。AIが検索結果の中で答えを出すと、外のサイトに人が流れにくくなる。
出典:Redditの決算発表・10-Q(SEC)
世界のウェブサイトの約70%を動かすプログラム言語PHPに、ログインなしで外からサーバーを乗っ取れる重大な穴が2件(CVE-2026-109618と109619)見つかった。PHPは10月21日に修正版(8.5.12など)を出し、更新が唯一の確実な対策だとした。見つけた会社の1つのWizは、GoogleとOpenAIのAIモデルを使い、ふつうなら専門チームで数か月かかる作業を1人の研究者が1週間でこなしたと書いている。過去10年に出たほぼすべての版が対象だ。
出典:PHPの公式の発表(10/21)、Wizのブログ(10/21)。「約70%」はWizの説明
決算とは別に、9月に発表した部門の分け方の変更(「Agents and Infra」と「Devices and Consumer」の新設)に合わせて、過去3年分の数字を新しい部門で並べ直した届け出(8-K)を出した。前の年と比べるときは、新しい部門の数字を使う。
出典:MicrosoftのSEC 8-K(10/28)
1社1行で、売上と前年比だけ。会社の説明は筆者がつけた
| ティッカー | 会社 | 売上 | 前年比 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| AXTI | AXT | 7,340万ドル | +162% | 過去最高。レーザーの材料のインジウムリンの基板が伸びた(4面) |
| SIMO | シリコンモーション | 5億6,020万ドル | +131% | 記憶装置(SSD)を動かす半導体の会社。台湾 |
| COHU | コーフー | 1億7,300万ドル | +37% | 半導体の検査の装置 |
| CSTM | コンステリウム | 26億ドル | +22% | アルミ製品。通期の調整後EBITDAの見通しを10.3〜10.6億ドルに引き上げ |
| NWPX | NWPXインフラ | 1億7,940万ドル | +18.7% | 水道などの大きな管。売上は過去最高 |
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出典:各社がSECに出した8-K・6-K(10/28・29)
Penguin Solutions(PENG、AI向けのサーバーやメモリの会社)の役員(最高収益責任者)が、10月29日に4,631株を平均58.91ドルで売った。合計は約27万ドル。前もって決めた計画による売買(10b5-1)で、売ったあとの持ち株は77,853株。役員の売りは、税金や資産の分散など個人の事情でも行われる。
出典:SECのForm 4
KAT Construction Servicesは、テキサス州ダラス・フォートワースで、ビルや住宅向けに天然石・人工石の加工と取り付けをする会社(1983年設立)。届け出では1株5〜7ドルで333万株あまりを売り出し、「KATX」で上場する予定。上場が決まったわけではない。
出典:SECのS-1
本紙は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本コンテンツは投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。載せた会社は、売買をすすめるものではありません。会社の見通しや予定は、会社が変えることがあります。各社の最新の発表でご確認ください。
数値の出典(全面):各社の決算発表・プレスリリース・SECへの届け出(8-K・10-Q・10-K・6-K・S-1・Form 4・FWP)、FRBの声明、米財務省、PHPの公式の発表、Wizのブログ。合計・換算は筆者計算。数字は2026年10月31日までに確認できた範囲です。
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※売買をすすめるものではありません。